運命とは必然なもの

09


戦いは始まった








互いに殺さないようにしながら・・・








互いのリーダーの命令により








殺さないように・・・








皆一生懸命に戦った








自分達のリーダーを信じて








錬金術師の戦いに巻き込まれたらただではすまないことはよくわかっているから



















「まさか君が国家錬金術師だったなんてな。驚いたよ。しかも最年少天才国家錬金術師だって言うじゃないか。」
自分達の部下が自分達の命令を守って殺さないように戦っている間にロイとエドは再開を果たしていた。
「そりゃどうも。あんたが何で自分のファミリーネイム言わなかったのかわかったよ。それに、俺の両親をころ・・・。」
「殺した奴のボスだったなんてな。」
エドの言葉をロイが奪った。エドは顔をしかめてた。
「知ってたのか?」
「ああ。ここに軍が国家錬金術師を投入するという情報が入ったのでね。資料を見ると君が載っていたからびっくりしたよ。国家錬金術
師になるぐらいだからよっぽどの理由があったのだと思ってね、部下に調べさせた。君は俺を憎んでいるんだろう?」
「・・・・・・。」
「・・・沈黙は肯定ととるよ。」
下を向いたまま返事をしないエドにロイは内心ため息をついて仕方ないな、と思った。
「君の気持ちはわかる。俺を殺したいほど憎んでいることもな。だが、あれは今はもう死んだ部下が標的を間違えたんだ。君の両親は
本当は死ぬはずじゃなかった。」
「過ちだと言うのかっ!親父と母さんは本当なら今でも生きていたのだとっ!俺の右手左足も無くなってはいなかったのだとっ!」
パンッとエドは両手を合わせ、右手の機械鎧を刃に変え、ロイに切りかかった。
「なっ!機械鎧!」
念の為と持っていた銃で刃をかろうじて受けたロイが焦った声を出した。
「ああそうさっ!あの時、親父と母さんが死んだ時、俺も一緒にいたんだ!俺は親父と母さんが守ってくれたお陰で死なずにすんだけ
ど、右手と左足を失ったんだよっ!」
容赦なくロイを攻撃するエドに発火布を使わざるを得ないかとロイが思った時、急にエドの攻撃が弱まった。
「なんで・・・なんで親父と母さんが死ななくちゃいけなかったんだよ・・・なんで・・・。」
顔をそっと覗いてみると涙を我慢したつらそうな顔をしていた。ロイは思わずエドを抱きしめていた。
「ちょっ!なにすんだよ!!離せ!!////」
「断る。」
「なっ!!////」
「エド、好きだ。」
「・・・はっ?!」
「俺がこんなこと言うのは間違ってるのかもしれない。でも、俺はエドが好きなんだ。」
「え・・・あ・・・///」
「エドの悲しそうな顔はみたくないんだ。笑っていて欲しい。エドは笑っている時が一番輝いてる。」
「よくそんな恥ずかしいこと言えるな///」
「事実さ。で、エド返事は?」
「・・・俺片手片足ないんだぜ?」
「そんなことは関係ない。俺にも責任があるしな。」
「国家錬金術師だし。あんたを探して殺すつもりで国家錬金術師になった。」
「俺に復讐をと考えるのは当然だ。それなりのことをしたんだからな。」
「・・・男みたいだし・・・。」
「それも君の魅力のひとつさ。」
「・・・・・・・。」
「で、返事は?」
色々思いつくことを並べてみたけどどれもロイに上手くかわされてしまった。エドは観念したように真っ赤な顔をして言った。
「・・・・俺もロイのこと好き・・・///」
「本当かい?」
「こんなことで嘘なんか言わねぇよ////」
「ありがとうエド。」
そう言うとロイはエドをぎゅっと抱きしめ、そしてそっと口付けを交わした。








今2人の運命の道が開けた